金融市場NOW
男女の賃金格差解消 なお遠く
2017年03月10日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
管理職は年々増加するも賃金は男性の73%
- 2016年のフルタイムで働く女性の平均賃金は月額で24万4,600円と3年連続で最高となった。
- 労働参加に加え、企業が積極的に女性を管理職に登用するようになったことも賃金上昇の要因か。
- 賃金格差解消には、女性管理職の登用に加え国や自治体、さらに職場の支援等が不可欠か。
女性の賃金が上昇を続け、男性との格差が過去最小を更新しました。
厚生労働省が2月22日に発表した2016年の調査によると、フルタイムで働く女性の平均賃金は月額で24万4,600円と3年連続で最高となりました。男性の賃金の73%となり、男女格差はこの20年で10ポイント縮まりました(グラフ1)。
女性の賃金は1990年前後は男性の60%程度にとどまっていましたが、一時期を除き格差は次第に縮まっています。2016年の女性の賃金は前年から1.1%増える一方、男性は横ばいでした。女性の賃金は2006年と比べて2万円以上増えたのに対し、男性は2千円程度減少しています。
女性の勤続年数は9.3年で前年より0.1年短くなりましたが、課長や部長など管理職に就く女性の割合は9.3%で過去最高となりました(グラフ2)。近年、女性の労働参加が増えたことに加え、企業が積極的に女性を管理職に登用するようになったことが背景にあると思われます。安倍内閣は成長戦略の柱の1つに「女性の活躍推進」を掲げ、2020年に女性の管理職比率を30%にすることをめざして、保育所不足の解消や育児休業中の給付の見直し等を行っています。しかし、管理職に占める女性の割合も欧米を大幅に下回っているというのが現状です。
男女の賃金格差を埋めるべく、女性の賃金を底上げするには、女性の管理職への登用をさらに増やしていくことに加え、子育てを機に離職したり、本人の意に反してフルタイムの仕事を諦めたりすることを防ぐよう、国や自治体、さらに職場の支援等が必要になってくるのかもしれません。
金融市場動向
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