金融市場NOW
足元の新型コロナウイルス感染状況について
2020年08月27日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
経済活動を再開させた国や地域で、再び感染が拡大
- 世界での感染者数は2,300万人を超え、感染は急拡大。米国、ブラジル、インドの3カ国で世界の感染者数の過半数を占める。
- 米国などでは感染者の増加ペースが鈍化する一方、欧州や中南米等では感染拡大が続く。
世界での感染者数が2,300万人を超える
2020年1月に中国武漢市で最初に確認された『新型コロナウイルス』は、発生から半年以上経過した今でも終息の兆しは見られません。2020年8月25日時点での世界の感染者数は2,300万人を超え、死者数は80万人に上っています(グラフ1)。感染者数が1,000万人を超えた6月28日から、8月10日に2,000万人を超えるまでの日数はわずか44日ほどで、感染は急拡大しています。国・地域別では、米国(約577万人)での感染者数が最も多く、次いでブラジル(約362万人)、インド(約317万人)となっており、3カ国で世界の感染者数の過半数を占めています(2020年8月25日時点)。
米国の感染者数の増加ペースは鈍化傾向
米国では7月下旬以降、新規感染者の増加ペースが鈍化傾向にあります。経済活動の再開以降、再び感染拡大がみられた州でのマスク着用の義務化や、レストランなどの営業の再規制などの対策が功を奏したものとみられます。一方、フランスやスペインなどの欧州諸国では、経済活動再開後の警戒感の緩みなどから再び感染が拡大しています(グラフ2)。
中南米では地方都市を中心に感染拡大
南アフリカは6月にロックダウン(都市封鎖)を大幅に緩和した後、1日あたりの新規感染者数が1万人を超えるなど感染が急拡大しましたが、足元では新規感染者数は減少傾向にあります。
中南米ではブラジルやペルーでの感染拡大が目立ちます(グラフ3)。最近では、人口密度の高い都市部から地方へと感染が拡大しており、医療設備の充実化などが課題となっているようです。
世界規模でみてみると、一部の国や地域で感染拡大ペースの鈍化が見られるものの、医療体制がぜい弱である新興国での感染が広がっており、終息には時間を要するとみられます。
金融市場動向
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