金融市場NOW
日本株の投資部門別売買動向
2019年04月17日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
海外投資家は4月第1週目に約6,200億円の買い越し
- 東証の投資部門別売買動向によると、2018年度に海外投資家は日本株を大幅に売り越し。
- 日本銀行による上場投資信託(ETF)の買いが、海外投資家の売越額を埋め合わせた。
- 4月第1週目は海外投資家が日本株を買い越し。企業決算で好業績が確認されればさらなる日本株買いも。
東京証券取引所が発表した投資部門別売買動向(2市場(東京・名古屋)(1部・2部)(新興市場を含む)合計)によれば、2018年度は海外投資家が大幅に売り越していたことがわかりました。2年連続の売り越しとなっており(グラフ1)、売り越し額はおよそ5兆6,300億円、31年ぶりの高水準となりました。米中貿易摩擦に端を発した世界的な景気減速懸念の高まりにより、投資家が慎重姿勢を強めたことが要因であるとみられています。また、輸出中心の製造業が多いといった日本企業の特徴も、世界景気の影響を大きく受ける要因になったとも考えられます。
2018年度の海外投資家の売越額を埋め合わせたのが、日本銀行による上場投資信託(ETF)の買いです(グラフ2)。2018年度の日銀によるETF買いの総額は5兆6,500億円で、日銀がETFの買い入れを始めた2010年まで遡ると、2017年度の6兆1,700億円に次ぐ過去2番目の高水準となっています。
海外投資家は日本の株式市場の1日の売買代金のおよそ6割以上を占めており、彼らの動向は今後の日本株式市場を予想するうえで、重要であると言えそうです。海外投資家は、日本株を2019年2月第1週目から9週連続で総額約2.1兆円売り越しましたが、4月第1週目(4月1日~4月5日)は6,228億円の買い越しとなりました。2001年以降の各年4月の海外投資家の売買を見ると、これまで全ての年で買い越しとなっており、今後主要企業の2019年3月期の決算発表が始まり、改めて日本企業の好業績が確認されることとなれば、海外投資家の日本株買いを後押しするとともに、株価の上昇が期待できそうです。
金融市場動向
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