金融市場NOW
法人企業統計 設備投資が堅調
2019年03月06日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
9四半期連続で増加 製造業を中心に投資が活発
- 2018年10~12月期の法人企業統計によると、設備投資が9四半期連続での増加となった。
- 情報通信機械を中心に化学、石油・石炭など、製造業の設備投資の増加が全体をけん引。
- 今回の法人企業統計の結果を受け、3月8日に公表されるGDP改定値の上方修正期待も。
3月1日に財務省が発表した2018年10~12月期の法人企業統計によると、全産業(資本金1千万円以上、金融業、保険業を除く)の設備投資が前年同期比(以下同様)で5.7%増の12兆530億円となり、9四半期連続での増加となりました(グラフ1)。半導体や自動車向け部品など、製造業を中心に生産能力増強のための投資が活発となったことが要因とみられます。
設備投資の動向を産業別に見てみると、製造業は同10.9%増、非製造業は同2.7%増となっており、製造業が大きくけん引しました。製造業のうち、情報通信機械は同60.3%と大幅増加、そのほか化学、石油・石炭などが20%超えとなり、多くの業種で増加となりました。非製造業のうち、不動産業はオフィスビルや商業施設の建設増加にともない同57.5%の増加、リース用車両向けなどの投資が増加した物品賃貸業も同27.8%の増加となりました。
全産業ベースでの経常利益は同7.0%減の19兆4,763億円となり(グラフ2)、10四半期ぶりの減益となりました。2018年末にかけて原油価格が下落したことから製造業のうち石油・石炭で在庫の評価益が減少したことが大きく響きました。非製造業では、人件費の高騰などにより、サービス業を中心とした減益が 重荷となりました。しかし10~12月期としては過去3番目の大きさであり、財務省は 『景気は緩やかな回復基調にある』と分析しています。
今回の法人企業統計の結果は、3月8日に内閣府より公表される2018年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値に反映されます。これらの結果を受け、一部では企業の設備投資と経済成長率の上方修正を期待する声もあるようです。
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