金融市場NOW
世界の石油需要 今後も増加へ
2017年11月20日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
人口増加にともなう新興国の需要が旺盛
- 石油輸出国機構(OPEC)が「世界石油見通し」で、中長期的な石油需要見通しを発表。
- 先進国の需要は減少する一方、人口の増加に伴い新興国の需要は今後も増加する見込み。
- 産油国の政治リスクにより原油価格は底堅く推移。今後のOPECの見通しが注目される。
石油輸出国機構(OPEC)は7日に発表した年次報告書である「世界石油見通し2040」において、中長期的な世界の石油需要見通しを発表しました。主な内容は以下の通りです。
- 2022年の石油需要は2016年から約690万バレル/日増加し、1億230万バレル/日に(グラフ1)。
- 中国、欧州などで、これまでよりも高い消費が見込まれる。
- 2040年までに需要は1,580万バレル/日増加し、1億1,110万バレル/日に達する。
- 2040年までの間、先進国の需要は減少する一方、新興国は人口の増加に伴い2,380万バレル/日増加する。
- 長期的には、インドのエネルギー需要の伸び率が2019年に初めて中国を上回る見込み。
- 再生エネルギー技術の進展や電気自動車の普及が進めば、需要は標準シナリオに比べて下振れする可能性も。
原油(WTI原油先物)価格は、足元ではサウジアラビア王室内部対立の深刻化懸念や、イラク北部の少数民族・クルド人自治区の独立問題等を受けて底堅く推移し、11月6日時点で、およそ2年半ぶりの高値水準となっています(グラフ2)。原油価格の上昇は、輸入物価の高騰を通じて国内の物価を押し上げることから、輸入国の今後の金融政策に影響を与えることも考えられます。また代替エネルギーへの切り替えなどが、今後のOPECの石油需要見通しに影響を与える可能性もありそうです。
金融市場動向
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