金融市場NOW
電子商取引(EC)市場15兆円突破
2017年06月20日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
市場規模5年間で倍増
- 日本のEC市場規模(BtoC(消費者向けサービス))が2016年に15兆円を上回り、過去最高。
- 世界市場は1兆9,200億ドル(約211兆円)となり、前年比24%増。中国市場がけん引。
- 物販EC化率は他国に比べ低く、市場拡大に向けより新しいサービスや商品販売が期待される。
インターネット通販など、日本のEC市場規模(BtoC※1(消費者向けサービス))が2016年に15兆円を上回りました。経済産業省の調査によると、市場規模は2015年の13兆7,746億円から1兆3,612億円増加の15兆1,358億円となり、伸び率も前年の7.6%から9.9%に拡大しました。また、物販のEC化率※2も2015年の4.75%から2016年は5.43%に上昇し、初めて5%を超えました(グラフ1)。利便性が売り物ですが、人手不足を背景に物流業者への負担増が問題となっていることから、運送会社による宅配制度の見直しや、インターネット通販業者による配送網の整備などが進められています。
また、2016年の世界のEC市場(eMarKeter推計)は1兆9,200億ドル(約211兆円)で、前年に比べて24%増加となりました。世界最大のEC市場は中国であり、前年比40%増の9,276億ドル(約102兆円)となり、全体のほぼ半数を占めています。中国に次ぐEC市場の米国は16%増の3,983億ドル(約44兆円)でした(グラフ2)。eMarKeterによると、世界のEC市場は今後も2ケタ成長が続き、20年には4兆600億ドル(約447兆円)まで急拡大すると見込まれています。
近年、EC市場規模が拡大するにつれ、海外からネットを通じて『品質のよい商品を低価格』で購入することが可能な環境が整いつつあります。パソコンやスマートフォンの普及により、いつでもどこでもECが利用できる環境になったことも追い風のようです。中国のインターネット普及率は52.3%であり、日本の83.0%や米国の88.6%と比較してもまだ差があるものの※3、所得の上昇やインターネット環境の整備等を背景にEC市場のますますの拡大が見込まれています。
今回の調査において物販のEC化率は前年比で上昇したものの、米国の7%や中国の15%と比べると、まだまだ低く、国内EC市場はまだ伸び代があり、今後もより新しいサービスや商品販売が期待できそうです。
- Business to Consumer
- すべての商取引の内、ECサイトなどの電子取引されているものの割合
- 経済産業省「我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」(電子商取引に関する市場調査)より
金融市場動向
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