金融市場NOW
高齢者は75歳から・・・?
2017年02月07日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
65~74歳は社会の支え手
- 日本老年学会と日本老年医学会は、「高齢者」として定義される年齢の区分見直しを提言したと発表。
- 65~74歳を「社会の支え手」と捉え直し、その活躍でより活力ある超高齢社会実現を図る。
- 社会保障制度における年齢の定義の見直しは、慎重に議論しなければならないという問題も。
日本老年学会と日本老年医学会は、一般的に「高齢者」として定義される年齢の区分見直しを国・厚生労働省などに対して提言したことを発表しました。現在「65歳以上」とされている高齢者の定義を「75歳以上」とし、65歳~74歳は「准高齢者」とするというものです。近年、心身が健康な高年齢者が増えたためで、65~74歳は「准高齢者」とし、社会の支え手として捉え直すべきだとしています。今後、社会保障や雇用制度をめぐる議論に影響を与える可能性がありそうです(図1)。
医師や心理学者、社会学者らでつくる両学会のワーキンググループが、日本人の心身の健康に関する複数の調査結果をもとに2013年から検討してきました。65歳以上では脳卒中などで治療を受ける割合が以前より低下する一方、身体能力をみる指標の歩行速度などが上がる傾向にあり、生物学的にみた年齢は10~20年前に比べて5~10歳は若返っていると判断したようです。また、知的機能の面においても、70代の検査の平均得点は10年前の60代に相当するという報告があり、この結果も根拠の1つとされました。
60歳以上を対象に「高齢者とは何歳以上か」を聞いた内閣府の意識調査では「75歳以上」との答えが28%となり、15年前より13ポイント上がったのに対して、「65歳以上」は6%で12ポイント下がりました(グラフ1)。こうしたことから、提言では高齢者は75歳以上とし、65~74歳は「高齢者の準備期」と位置づけました。「社会の支え手」と捉え直し、その活躍でより多くの人が参加する活力ある超高齢社会実現を図る狙いがあるようです。
塩崎厚生労働大臣は「提言は医学的な観点から出されたもので、社会保障制度における年齢の定義の見直しは慎重に議論しなければならない」と発言しています。定義の見直しが与える影響等などについて今後議論が進むものと思われます。
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