金融市場NOW
「ラップ口座」の資産残高過去最高に
2017年01月18日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
金融庁の監督指針改正などの規制環境も後押し
- 「ラップ口座」の資産残高が2四半期ぶりに増加し過去最高。初めて6兆円の大台を突破。
- 契約件数も52万8,046件となり、過去最高を更新。
- 今後のラップ口座市場の継続的な拡大に向け、販売チャネルの拡充や商品の改善などが期待される。
日本投資顧問業協会は2016年12月7日、個人が金融機関に資金を預けて運用を一任する「ラップ口座」の残高が2016年9月末で6兆197億円になったと発表しました。口座の件数は、前期(2016年4-6月期)比2万6,069件増の52万8,046件となり、増加幅は前期の1万9,756件を上回りました。
2016年7-9月期は、株式市場の好転に加え、営業員評価に際して預かり資産の増加等を重視する金融庁の監督指針改正などが後押しし、ラップ口座市場のすそのが広がったものと考えられます。
ラップ口座とは、投資判断を証券会社や銀行などの管理者に委任する口座の一種です。自分で投資や資産運用は難しいと考える人々を中心に、『100%おまかせ』で運用できるという点が注目されており、近年はラップ口座を個人投資家向けの中核商品と位置づけている金融機関も多数あるようです。大手都市銀行が、2017年2月から『ファンドラップ』に参入することを明らかにすると同時に、運用期間が一定の期間を経過すると手数料を割引する仕組みも導入すると発表しています。今後のラップ市場の継続的な拡大には、手数料体系を含む商品改善が重要なカギとなるかもしれません。
金融市場動向
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