金融市場NOW
75歳以上 子ども上回る
2016年11月16日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
若年層人口の減少が深刻 外国人労働者の受け入れも視野に
- 2015年国勢調査で日本の総人口は1億2,709万4,745人となり、前回2010年調査から約96万人減少。
- 若年層人口の減少が深刻。労働生産性の低下が懸念され、政府は幅広い業種で外国人労働者の受け入れを検討。
- 外国人労働者受け入れに対する反発も根強く、実現には時間を要するか。
総務省が10月26日に2015年国勢調査(確定値)を公表しました。外国人を含む総人口は2015年10月1日時点で1億2,709万4,745人となり、2010年の前回調査から約96万人の減少となりました(グラフ1)。また75歳以上の人口は1,612万人と総人口の8人に1人を占め、初めて14歳以下の子供(1,588万人)を上回りました。1985年時点では471万人だった75歳以上の人口は、30年間で3.4倍にまで増加しましたが、同期間で14歳以下は4割減少しており、少子高齢化に歯止めがかかっていません(グラフ2)。出生率が死亡率を下回ったことによる自然減が原因とみられており、14歳以下の人口割合は12.6%となり、日本と同様に少子高齢化が問題化しているイタリア(13.7%)やドイツ(12.9%)を下回り、世界最低水準まで低下している状況です。
今後も若年層を中心とした人口の減少に歯止めがかからなければ、日本の労働生産性の低下が懸念されます。政府はこの問題の打開のため、「働き方改革実現会議」において本格的に外国人労働者の受け入れを検討する方針です(下記”「働き方改革実現会議」で議論する主なテーマ”)。前回2010年の国勢調査において初めて減少に転じた日本人のみの人口は、今回調査でも1億2,428万人と107万人の減少となった一方、外国人労働者の増加などで日本に在住する外国人は10万人増の175万人と過去最高を更新しています。
現在、外国人労働者の受け入れは、研究者や医師など専門分野に限って認められています。しかし少子高齢化が進行する中、将来的な人手不足をにらんで外国人労働者受け入れを求める声が強まり、自民党などが中心となり人手不足が深刻な介護や農業、旅館などで推進することを政府に提言しました。外国人労働者の受け入れに関しては労働界からの反発も根強く、実現に時間を要するかもしれませんが、今後の政府の対応が注目されそうです。
「働き方改革実現会議」で議論する主なテーマ
- 同一労働同一賃金
- 転職・再就職支援
- 労働時間の上限規制(「36協定」見直しも)
- 下請け企業の取引条件の改善
- 24時間営業などのあり方
- テレワークや副業・兼業
- 社会保障制度・税制などの再検討(配偶者控除の見直しも)
- 継続雇用や定年年齢の引き上げ
- 外国人材の労働者としての受け入れ
金融市場動向
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