金融市場NOW

雇用情勢の改善進む

2016年06月14日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

4月の有効求人倍率は24年5ヵ月ぶりの高水準

厚生労働省が5月31日発表した4月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.04ポイント上昇の1.34倍となり、1991年11月以来、24年5カ月ぶりの高水準となりました(グラフ1)。一方、総務省が同日に発表した労働力調査(季節調整値)によると、4月の完全失業率は3.2%と前月と同水準でした(グラフ2)。

有効求人倍率の上昇にも関わらず、完全失業率に改善がみられなかった点に関しては、「雇用のミスマッチ」が要因のひとつになっていると考えられます。 2013年11月に有効求人倍率が1倍を超えて以降、企業が求人を出しても求職者と条件が合わず思うように採用できない状況が続いているようです。業種別 の新規求人は、情報通信業などで減ったものの、他は軒並み増加しました。医療・福祉や宿泊・飲食サービス業を中心に人手不足感が根強い状況です。サービス 業および宿泊・飲食サービス業、医療・福祉の平均給与は全産業を下回っています。人口減少、少子高齢化に加え、給与水準の相対的な低さも企業とのミスマッ チを生じさせている原因の1つとして考えられるかもしれません(グラフ3)。

今後、企業は人材確保のために雇用条件の改善や、非正社員から正社員への登用を進めていくと見込まれます。そうした対応が、慢性的なミスマッチや人員不足の解消をもたらすかが注目されます。

グラフ1:有効求人倍率の推移

有効求人倍率の推移グラフ
出所:厚生労働省のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
※季節調整済み。新規学卒者を除きパートタイムを含む。

グラフ2:完全失業率の推移

完全失業率の推移グラフ
出所:総務省「労働力調査」のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ3:業種別の平均給与(年収)(2014年)

業種別の平均給与(年収)(2014年)グラフ
出所:国税庁「民間給与実態統計調査」のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

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