金融市場NOW
国内家計及び企業の金融資産残高
2016年03月31日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
国内家計及び企業の金融資産残高は共に過去最高を更新
日銀の資金循環統計によると、2015年末の家計と企業(除く金融機関)の金融資産残高は何れも過去最高となりました。その特徴等は以下の通りです。
家計
- 2015年末の家計の金融資産残高は2014年末より29兆円増加し、1,741兆円と過去最高を更新。増加額の内、現金・預金は12兆円と全体の約41%を占める。株式等や投資信託もそれぞれ5兆円、4兆円増加し、合計額は安倍政権誕生直後の2012年末に比べると約1.5倍となった。 但し、株式等については株価上昇等による評価額の増加を除けば減少しており、「貯蓄から投資へ」の流れは停滞気味。
- 金融資産残高1,741兆円の内訳は、現金・預金が902兆円と全体の51.8%を占める。株式等と投資信託合計の比率は15.2%で、2014年末からほぼ横ばい。
(参考)FRB(米連邦準備制度理事会)によると、米国家計の2015年末の金融資産残高約70.3兆ドル(約7,950兆円、113円換算、以下同じ)に占める現金・預金の比率は15.2%。一方、株式等が34.2%、投資信託が11.5%と合計で全体の約45%を占める。
企業(除く金融機関)
- 2015年末の企業の金融資産残高は1,117兆円と、好調な企業業績等を背景に2014年末に比べ47兆円(4.4%)増加し、過去最高を更新。増加額の内、最大は株式等で27兆円(9.6%)増加。その多くは自社株買いによるものとみられる。現金・預金も18兆円(7.9%)増加し、残高は246兆円と過去最高を更新。
- 金融資産全体に占める現金・預金の比率は22.0%と2014年末(21.3%)より上昇。流動性預金を中心に手元資金を積み増す動きが続いている。
(参考)FRBによると、米国企業(除く金融機関)の2015年末の現金・預金残高は約2.9兆ドル(約320兆円)で金融資産全体の12.3%。日本企業の約半分程度。
- 対外直接投資残高(海外企業の株式保有額等)も増加傾向を続けている。2015年末は2014年末より6兆円(5.6%)増加の110兆円と過去最高を更新。安倍政権誕生直後の2012年末に比べると約1.7倍となっており、企業が海外展開を積極化している姿もうかがえる。
金融市場動向
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