金融市場NOW

国内の雇用・賃金・個人消費等の動向

2015年09月10日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

改善する雇用環境【グラフ1】

グラフ1:完全失業率・有効求人倍率推移

出所:総務省、ブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

7月の有効求人倍率(有効求職者数に対する有効求人数の比率)が1.21倍と23年5ヵ月ぶりの高水準となる等、雇用環境は現行の賃料で働きたい人がすべて職を得ることが出来る「完全雇用」の状態に近いように思われます。

雇用改善を受けた賃金の動き【グラフ2】

グラフ2:実質賃金・実質消費支出推移

出所:総務省、ブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

厚生労働省の調査(従業員が5人以上いる全国の3万強の事業所対象)によると、7月の実質賃金は前年同月比0.3%増と、企業の賃上げ等を受けて2年3ヵ月ぶりにプラスとなりました。

また、調査方法は違うものの、総務省の家計調査(二人以上世帯)報告では、勤労者世帯の7月の実質賃金は前年同月比5.4%増と、4年9ヵ月ぶりの増加幅となっています。

家計消費の動き【グラフ3】

グラフ3:物価(全国・品目別・前年同月比)推移

出所:総務省、ブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

総務省の家計調査によると、一世帯当たりの7月の実質消費支出は前年同月比0.2%減と、2ヵ月連続の減少となりました。猛暑による飲料やエアコンへの支出増加、ボーナスの支給による賃金上昇等で持ち直すとみられていましたが、予想に反する結果となったようです。

その要因として、食料等生活必需品の値上がりが考えられます。原油安による電気代等の値下がりを相殺している可能性があります。

個人消費の活性化

2015年4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率(前期比・年率)(改定値)は1.2%減と3四半期ぶりにマイナス成長となっています。安定した経済成長を取り戻すにはGDPの約6割を占める個人消費の活性化が必要だと思われます。

政府の呼びかけもあり、多くの企業がこれまで賃上げを実施しています。食料等生活必需品の値上がりの負担感を和らげ、家計の消費意欲を盛り上げるため、更なる賃上げが求められる可能性もあります。

金融市場動向一覧へ

「金融市場動向」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。