金融市場NOW
金利上昇とデンマーク・カバード債券の状況について
2021年05月18日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
金利上昇によりデンマーク・カバード債券は軟調な推移に
- 米国の大規模な追加経済対策等による景気回復期待から、2021年初から米国主導で世界的に金利が上昇しています。経済活動再開にともない年後半にかけてインフレ圧力が高まるとの見方から、米長期金利は足元で上昇基調を強めています。欧州長期金利(ドイツ10年国債利回り)も、欧州中央銀行(ECB)による資金供給策の縮小が意識されたことや、独仏などで新型コロナウイルスワクチン接種が進展し、景気回復期待が高まっていることなどを背景に緩やかな上昇基調で推移しています。
- 欧米金利上昇の影響を受け、デンマーク・カバード債券は年初より軟調な推移となっています。
- デンマーク・カバード債券のスプレッド(国債に対する上乗せ金利)は拡大しておらず、デンマーク・カバード債券の下落は、欧米を中心とした世界的な国債利回りの上昇が主な要因とみられます。
2020年12月末 | 2021年5月12日 | 騰落率 | |
---|---|---|---|
デンマーク・カバード債券 | 101.34 | 97.88 | -3.4% |
米国国債 | 102.74 | 98.65 | -4.0% |
ドイツ国債 | 99.52 | 95.85 | -3.7% |
当面の金利の見通し
- 米国をはじめ世界各国・地域で新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでおり、景気回復期待が高まっています。欧州でも行動制限が緩和され始めており、経済活動の正常化期待から欧州長期金利は上昇しやすい環境にあると言えます。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和姿勢の継続を繰り返し強調していること、ECBも“(コロナ禍への緊急対応策である)資金供給策縮小の議論は時期尚早”と緩和姿勢の継続を強調していることなどから、欧州長期金利の上昇余地は限られていると思われます。
- 欧州金利は、景気回復期待から一時的にプラス圏となることも想定されるものの、当面ECBが低金利政策を維持するとの見通しから、現行水準を中心としたマイナス圏での推移となることを想定します。金利上昇局面においては、一般的に新規・借り換えともに住宅ローンの件数が減少するため、デンマーク・カバード債券の発行量は徐々に抑制されていくとみられます。金利上昇が落ち着きを取り戻せば、デンマーク・カバード債券市場は需給環境が改善され、次第に底堅く推移していくものと思われます。
金融市場動向
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