金融市場NOW
足元の金利上昇とデンマーク・カバード債券の状況
2021年03月01日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
欧米の金利上昇を受け、足元のデンマーク・カバード債券は軟調推移
- 米国の大規模な追加経済対策発動による経済活動の正常化期待や、経済対策発動にともなう国債増発懸念などから、2021年年明け以降、米長期金利(米国10年国債利回り)が上昇しています。米長期金利(米国10年国債利回り)が上昇した流れを受け、欧州長期金利(ドイツ10年国債利回り)も上昇しています。
- 欧米の金利上昇の影響を受け、デンマーク・カバード債券も軟調な推移となっています。
- デンマーク・カバード債券のスプレッド(国債に対する上乗せ金利)は拡大していないことから、足元のデンマーク・カバード債券の下落は、欧米を中心とした世界的な国債利回りの上昇が主な要因とみられます。
2020年12月末 | 2021年2月末 | 騰落率 | |
---|---|---|---|
デンマーク・カバード債券 | 101.34 | 98.50 | -2.80% |
米国国債 | 102.74 | 99.47 | -3.20% |
ドイツ国債 | 99.52 | 97.09 | -2.40% |
当面の金利の見通しについて
- 世界的な金利上昇は、米国債の入札が行われ、大規模な追加経済対策の成立が見込まれる3月中旬ぐらいまで続く可能性がありそうです。当面の米国金利の上限目途は、世界的に金利が低下する前の2020年2月中旬頃の水準である1.5%台が目安となりそうです。
- ワクチン普及による世界的な景気回復への期待が高まる中、当面、デンマーク・カバード債券は国内外のマクロ環境の影響を受けやすい状況が続くものとみられます。経済活動正常化への期待などから欧米の長期金利が上昇することとなれば、デンマーク・カバード債券は一時的に変動性が高まることも想定されます。
- しかし、パウエル米連邦準備制度理事会議長は、金融緩和姿勢の継続を繰り返し強調しており、足元の米長期金利の上昇は、景気回復に対する市場の楽観的な見方を反映したものであるとし、静観する姿勢を示しています。また、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は、『ECBは長期金利の動きを注視している』と金利上昇をけん制する発言をしていることなどから、今後の欧米の長期金利の上昇は限定的なものに留まると予想します。
金融市場動向
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