金融市場NOW
NY金先物価格が約7年半ぶりの高値に
2020年04月16日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
新型コロナウイルスの感染に終息の兆しが現れれば調整局面入りも
- NY金先物価格が4月13日、約7年半ぶりの高値に上昇。新型コロナウイルスの感染拡大による先行き不安の高まり等が背景に。投機筋の資金流入も活発化。
- ロックダウン(都市封鎖)等が奏功し、新型コロナウイルスの感染拡大に終息の兆しが現れ始めれば、投機筋の手仕舞い売り等で調整局面入りする可能性も。
(1)NY金先物価格が約7年半ぶりの高値に
ニューヨーク商品取引所(COMEX)上場の金先物価格(NY金先物価格)が急上昇しています。4月13日の終値は1トロイオンス=1,744.80ドルと、約7年半ぶりの高値となっています。
NY金先物価格は、新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気した換金売り等により、3月中旬にかけて世界の株式市場と共に大きく下落しました。しかし、その後立ち直り、4月6日には3月初旬につけた高値を抜き、昨年12月中旬頃を起点とする上昇トレンドに回帰しました。トランプ米大統領が新型コロナとの戦いで非常に厳しい2週間が待ち受けているとの見通しを示した3月末頃から、上昇に拍車がかかっています。
(2)上昇の要因
以下のような要因が考えられます。
- 新型コロナウイルス感染の長期化懸念を背景とする、安全資産とされる金への資金逃避の動き
- 主要国中央銀行の利下げや量的緩和策の発動によりあふれ出たマネーが金に流入するとの観測
- 新型コロナウイルスの感染拡大で低金利が長期化し、金利収入を生まない金の相対的な魅力度が高まるとの見方
- 対外債務の支払いに充てる外貨準備の一部として、世界の中央銀行が安全資産とされる金(現物)の保有を更に増やすとの観測(グラフ2)
- 上記を背景とする投機筋の資金流入(グラフ3)
(3)今後の見通し
NY金先物価格上昇の最大の要因は、新型コロナウイルス感染拡大による先行き不安であると思われます。投機筋のNY金先物の建玉残(買い建玉残-売り建玉残)は一時に比べると減少してはいるものの、依然高水準です(グラフ3)。ロックダウン等が奏功し、新型コロナウイルスの感染に終息の兆しが現れ始めれば、投機筋の手仕舞い売りが本格化し、NY金先物価格が調整局面入りすることも考えられます。
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