足元のデンマークカバード債券市場の動向

新型コロナウイルス感染拡大で市場が混乱。カバード債券の金利は上昇

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、足元の世界の金融市場が大荒れの展開となっています。2月下旬以降、世界の株式市場が大きく値下がり【図表】するなか、デンマーク・カバード債券市場は相対的に堅調に推移してきましたが、同市場の動向を示すニクレディトDMBインデックスは3月16日に前日比1.1％下落しました。翌3月17日は下落幅は小さくなったものの同0.7％下落しています。

足元のデンマーク・カバード債券市場急落の要因としては、2008年のリーマンショックの時と同様に、株式市場以外にも国債市場を含め多くの金融市場で買い手が減少するなか、流動性確保のための現金化圧力がデンマーク・カバード債券市場にも波及したためと考えられます。

すでに各国中央銀行による金融緩和策が打ち出されており、財政政策の検討も進んでいますが、株式市場を中心に値動きの大きな相場展開が当面継続する可能性も考えられます。デンマーク・カバード債券市場についても、今しばらく混乱が続く可能性もありますが、すでに国債金利等と比較して売られすぎの水準にあるものとみています。各国の金融緩和策により長期金利は低位安定が見込まれることや、デンマーク・カバード債券市場固有の需給要因として3月末にかけて期限前償還にともなう再投資需要が期待されることなども、デンマーク・カバード債券の下支え要因になるものと考えています。

デンマーク・カバード債券指数とドイツ10年国債利回りの推移