金融市場NOW
デンマークの人口は増加予想
2018年08月07日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
2040年の0~14歳の人口構成比は約17%を維持
- デンマークの人口は、2017年の578万人から2040年には630万人に増加する見通し。人口の自然増等により、2040年の0~14歳の人口構成比は全体の約17%を維持する模様。
- リーマン・ショック後一時落ち込んでいた住宅完成件数が回復傾向に。人口や働き手の増加に見合った供給が続けば、住宅価格の変動が相対的に小さくなる可能性も。
(1)デンマークの人口は緩やかに増加する見通し
- デンマーク統計局によると、2017年の人口は578万人(ヨーロッパ近隣諸国等からの移住者はその内の約1割)。2012年からの5年間で18万人(年平均3.6万人)増加しています。
- 同統計局の予想では、人口は増加傾向をたどり、2040年には2017年比52万人(約9%)増の630万人に増加すると見られています。増加予想人数の内、自然増(出生数-死亡数)は23.3万人(全体の約45%)となっています(グラフ1)。
(2)デンマークの0~14歳の人口は約17%を維持
- 世界銀行によると、2015年の年齢別人口構成は0~14歳が約17%、15~64歳が約64%、65歳以上が約19%となっています。
- 同予想によると、2040年では0~14歳が約17%、15~64歳が約59%、65歳以上が約24%となっており、将来の働き手となる0~14歳の構成比は2017年と同水準を維持する見通しです(グラフ2)。尚、同予想によると、日本の2040年の構成比は0~14歳が約10%、15~64歳が約54%、65歳以上が約36%となっています。デンマークは日本に比べると、0~14歳の比率が高く、65歳以上が低くなっています。
(3)一時落ち込んでいた住宅完成件数は増加傾向に
- 2007年に3万件を超えていたデンマークの住宅完成件数は、リーマン・ショック後の2009年から2015年まで2万件を下回る水準で推移しました。2011年頃を底に回復基調入りした住宅価格は2017年には同ショック前の高値を上回り、一部では過熱感が指摘され始めているようです。人口増加が続く中で住宅完成件数が減少し、供給不足となったことが影響しているとの見方もあります。
- 2016年からは2万件台を回復しています。デンマークの人口は2040年まで年平均で約2.3万人増加することが見込まれており、住宅の新たな取得ニーズが発生するものと思われます。人口や働き手の増加に見合った住宅の供給が続くこととなれば、住宅価格の変動が相対的に小さくなるものと考えられます(グラフ3)。
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