金融市場NOW
牛肉輸出 6年連続最高
2017年08月09日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
経済成長にともない、東南アジアの需要が堅調
- 牛肉の2017年上半期の輸出量が前年同期比52%増の1,076トンとなり、6年連続で過去最高を更新。
- 経済成長にともない高級牛肉の人気が高まるベトナム向けは、前年同期比15倍となる。
- 牛肉は輸出力強化戦略の重点項目の1つに掲げられていることから、今後の取り組みが注目される。
財務省が7月28日に発表した貿易統計(確報)によると、牛肉の2017年1~6月の輸出量が前年同期比52%増の1,076トンとなり、上半期としては6年連続で過去最高を更新しました(グラフ1)。主に、米国や東南アジア向けの需要がけん引したようです。今年9月には台湾、年内にはオーストラリアが日本の牛肉輸入を解禁する見通しであり、通年でも過去最高となる見込みです。
今回、伸びが大きかったのは、米国とベトナムです。近年の経済成長にともない高級牛肉の人気が高まるベトナム向けは、前年同期比15倍となりました。経済発展による所得水準の向上で高級ホテルなどの需要が拡大する可能性もあり、今後も増加傾向が続くものとみられています。近年、アジアの都市中間層では、経済成長に伴う消費生活の急速な現代化が進んでおり、食の分野でも多少高くても料理には良い食材を使いたいと考える人が多いようです。国連食糧農業機関(FAO)のデータを見ても、東南アジアにおける1人当りの食肉の年間の消費量は増加傾向が続いています(グラフ2)。
2016年5月に「農林水産業・地域の活力創造本部」において、「農林水産業の輸出力強化戦略」が取りまとめられました。農林水産物・食品の輸出額を2019年までに1兆円に拡大させるという目標が掲げられ、ジャパン・ブランドを掲げた輸出促進の取組等を支援していくことが取り決められました。牛肉については重点品目の1つに掲げられており、さらなる輸出の拡大とそれに向けた取り組みについて注目が集まっています。
金融市場動向
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