金融市場NOW
「ESG」重視の運用広がる
2015年10月02日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
GPIF 国連の「責任投資原則」に署名
「ESG投資」(※1)が広がりをみせつつあります。
約140兆円(2015年6月末)を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、9月28日に国連の「責任投資原則」に署名したと発表しました。国内公的年金では初めての署名となります。また同内容を、安倍首相は国連サミットの全体会合の演説で公表しました。
外国法人等の国内株式保有比率(全市場・金額ベース)が、2014年度末で過去最高となる等海外からの証券投資は増加傾向にあります。こうした流れを継続させ、海外年金等から中長期視点の投資資金を呼び込むには、欧米で先行する「ESG投資」が日本でも広がる必要があるように思われます。ESGに着目した投資先選別の広がりは、社会貢献等を通じて企業の持続的な成長を促し、投資パフォーマンスの向上にもつながるものと考えられています。
国連の「責任投資原則」に署名した年金基金や運用会社等の数は、2015年4月時点で約1,400ですが、その内日本は30程度に留まっています(※2)。
今回のGPIFの署名をきっかけに、ESG投資に対する注目度が更に高まるものと思われます。
- 「ESG投資」とは:「ESG投資」のESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治:ガバナンス)の頭文字をとったものです。株式投資における銘柄選定において財務分析等に加えて、環境問題への取り組みや、株主、顧客、従業員、地域社会などの利害関係者に対していかに企業が社会的責任を果たしているかをチェックして投資をします。ESGに配慮して行動する企業は、経営の持続的な成長が見込め、投資対象としてパフォーマンス向上にもつながると捉えられています。
2006年に国連が採用した責任投資原則(PRI)に盛り込まれたことで欧米を中心に広がりをみせています。 - ニッセイアセットマネジメント(株)も署名しています。
金融市場動向
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