金融市場NOW
米国企業(除く金融)が保有する現預金残高等の動向
2015年08月04日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
米国企業(除く金融)が保有する現預金(現金化が容易な短期証券等含む)の増加が続いています。米連邦準備制理事会(FRB)の資金循環統計によると、2015年第1四半期末で約1.65兆ドル(約205兆円)に達しています。また同時点の現預金を含む金融資産に対する負債の比率は1995年第1四半期以降の最低水準近辺となっています(グラフ1)。米国企業(除く金融)の財務は健全な状態にあるように思われます。
米国株式市場の先行きを占う上で利上げタイミング等と共に、高水準の信用取引残高(信用買い残高)にも留意する必要があるように思われます(グラフ2)。今後信用取引の整理売りが株価の下落要因となることも想定されます。しかし、仮に株価が調整色を強める場合は、リーマン・ショック時等と同様に企業が自社株買いを本格化させ、その結果、需給の改善が図られることも考えられます(グラフ3)。保有する現預金(同上)の規模を考えると、株価下支えの効果は比較的大きくなる可能性もあると思われます。
米国企業は自社株買いや配当増額等の株主還元に積極的に取り組んでいるように思われます(グラフ3、4)。高水準の現預金(同上)を使って株主還元を更に推し進めれば、米国株式市場の先行きに好影響をもたらすものと考えます。
金融市場動向
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