米国から見た証券投資資金の流れ

米国から見た証券（株式と社債を含む債券）投資資金の流れを、米財務省の国際証券投資統計（TICデータ）（最新データは2015年4月末）を用いて調べました。主な特徴は以下の通りです。

• 2014年9月に世界から米国債券市場へ約1,000億ドルの資金が流入。10年国債金利(月末値）はその後急低下。金利が1.6％台まで低下した今年1月は流出となったが、その後の金利上昇過程で4月まで3ヵ月連続して流入超となっている（グラフ1、2）。
• 米国株式市場への世界からの資金流出入は、今年3月に約150億ドルの流出超となったが、4月は約3億ドルの流入超に転じている（グラフ2）。
• 新興国（※）から米国への資金流出入（株式と債券合計）は、今年3月に約135億ドルの流入超となったが、4月は約2億ドルの流出超に転じている（グラフ3）。
• 米国から新興国（※）への資金流出入（株式と債券合計）は、昨年12月から今年1月にかけ大きく変動した後、足元は落ちついた動きとなっている。今年の3・4月は、2ヵ月連続新興国からの資金流出超となってはいるが規模は相対的に小さく、米利上げ観測を背景とする新興国からの資金回帰は生じていないように思われる（グラフ4）。

• 新興国…以下（計11ヵ国）の合計値：中国、ブラジル、ロシア、インド、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、トルコ、メキシコ、南アフリカ

グラフ1：NYダウと米国10年金利

グラフ2：世界から米国への資金流出入（ネット）

グラフ3：新興国から米国への資金流出入（ネット）

グラフ4：米国から新興国への資金流出入（ネット）