金融市場NOW

米国:小売売上高と家計部門の動向

2015年06月18日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

米国の5月小売売上高(前年比)は2.7%プラスと、2009年11月以降5年7ヵ月連続して増加を続けており、伸び率も4月の1.5%プラスから拡大しています。また、4月の個人消費支出(前年比)は2009年12月以降5年5ヵ月連続して増加しており、伸び率も3%弱と相対的に高い水準となっています(グラフ1)。
米国の小売売上高や個人消費支出は、以下のような背景から当面堅調に推移するものと思われます。

  • 雇用環境の改善を背景とする賃上げの動き等を受け、賃金の上昇率(前年比)が今後高まることが想定されること(グラフ2)。
  • 株高や住宅価格の回復等による資産効果(含み益の増加)が消費を後押しする可能性があること(グラフ3)。
  • 可処分所得に対する負債額(負債比率)は2002年末頃の水準まで低下しており、お金を借りて消費を増やす機会を今後増やす可能性もあること(グラフ4)。
  • 原油安効果が今後も続くことが考えられること。(参考)内閣府(日本)は、昨年後半からの原油安が米国消費を1%押し上げる効果があったと試算。

グラフ1:小売売上高と個人消費支出

出所:ブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:失業率と平均時給

出所:ブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ3:家計部門保有株式等の含み額

出所:米連邦準備制度理事会(FRB)データを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ4:家計部門負債

出所:米連邦準備制度理事会(FRB)データを基にニッセイアセットマネジメントが作成

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