金融市場NOW

進む!アフリカのデジタル投資

2021年04月22日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

フィンテックなどを中心とした成長分野に世界中が注目

  • 新型コロナウイルス感染拡大により、先進国のみならず新興国においても、オンラインサービスの需要が高まっている。通信インフラ整備などのインターネット関連事業のさらなる拡大が期待される。
  • アフリカのデジタル変革に世界中が注目。インターネット関連のスタートアップ企業への投資が進む。

新興国でインターネットの普及が加速

グラフ1:インターネットや携帯通信が急速に普及

  • ※インターネット契約数(携帯電話経由)および携帯電話の普及率の推移
  • *1 インターネット契約数は2007年からのデータ
  • *2 100人あたりの普及率(2020年は予想値)
  • 出所:ITU(国際電気通信連合)の資料をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

1990年代後半より、情報通信技術が急速に発展しました。インターネットの普及により、パソコンや携帯電話で大量の情報を即座に入手できる環境となり、今日では、私たちの生活に欠くことのできないものとなっています。先進国に限ったことではありません。新興国の携帯電話の契約数は15年間で4倍になり、携帯電話を経由し、インターネットにアクセスする人も増加しているようです(グラフ1)。新型コロナウイルスの感染拡大により、先進国のみならず新興国においても、遠隔・オンラインサービスの需要が高まっており、通信環境の整備など、インターネット関連事業の拡大が期待されます。

アフリカ大陸で携帯電話が急速に普及

グラフ2:アフリカは今や世界第2位の“モバイル大陸”

  • ※携帯電話保有者数(のべ人数)の推移
  • *人口×100人あたりの普及率により算出(2020年は予想値)
  • 出所:ITU(国際電気通信連合)の資料をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

アフリカ大陸では、固定電話よりも携帯電話が先に普及するという、先進国とは逆の事象が起こっています。基地局の整備のみで済む携帯電話は、固定電話対比でインフラ整備が容易であることや、中古市場の台頭で、貧困層でも端末を手にしやすいことなどが要因としてあげられます。米国や日本が携帯電話の普及率が70%に達するまで約20年要したのに対し、南アフリカは13年ほどで達成しています。2020年時点でアフリカの約9億人が携帯電話を保有していると推測され、今やアメリカ大陸に次ぐ“モバイル大陸”です(グラフ2)。携帯電話の急速な普及を機に、アフリカではモバイル送金、農産品の売買交渉、オンライン学習など、金融、農業、医療、さまざまな分野で生活改善が進んでいます。

注目が集まるアフリカへのデジタル投資

グラフ3:スタートアップ企業への投資が活発

  • ※アフリカのスタートアップ資金調達額と件数の推移
  • 出所:経済産業省『通商白書2020』をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

近年、世界各国がアフリカのデジタル変革に注目し、現地のスタートアップ企業への投資が活発となっています。2019年には、フィンテック(ファイナンス・テクノロジー)関連企業を中心とした250のスタートアップ企業が、合計で約20億ドルの資金調達を行いました(グラフ3)。今後も経済成長と足並みを揃え、さらなるデジタル化の進展が期待されていることから、引き続き、国内外の投資家たちが注目する投資分野となりそうです。

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