金融市場NOW
都心マンション 高騰続く
2017年02月20日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
割安であった中古マンションも値上がり
- 2016年の首都圏の新築マンションの供給戸数は24年ぶりの低水準を記録。
- 販売価格の高止まりが購入意欲を減退させている可能性も。
- 相対的に割安な中古マンションが注目されるも、値上がりが続けば悪影響も。
都心の新築マンション販売が振るわないようです。2016年の首都圏の供給戸数は24年ぶりの低水準を記録し、売れ行きを示す契約率も低調となっています。販売価格の高止まりで消費者は購入に二の足を踏んでいるものの、不動産各社は低金利を背景に強気の販売姿勢を崩さないようです。需要は割安な中古に流れ、2016年の中古の契約戸数は初めて新築を上回りました(グラフ1)。
不動産経済研究所によると、2016年の首都圏新築マンションの平均価格は5,490万円で、2015年と比べて0.5%下落したものの5,000万円台の大台を記録しました。直近3年以前に5,000万円を超えた最後の年は1992年であり、バブル期以来の水準が続いています。高騰した直接の要因は建設現場における人手不足や、アベノミクスによる不動産市況の好転で工事費が上昇したことにあるようです。
低金利により、購入希望者の意欲は高まっているものの、価格上昇が購入意欲をしぼませています。2016年の首都圏新築マンション販売で好不調の節目とされる契約率70%を超えた月は4回のみとなっています。2010~2015年は各年で9~12回あり、当時に比べると低調な状況です(グラフ2)。
新築マンションの高値にしびれを切らした消費者は、相対的に割安な中古マンションに目を向けているようです。2016年の首都圏の中古マンションの成約戸数は前年比6.9%増の37,189戸で、新築の総契約戸数を上回り、比較可能な1996年以降で初めて逆転しました。
しかし、その中古マンションも値上がりが続いています。2016年の東京23区の物件価格は5,249万円と前年比で10.6%も上昇しており、高値が中古の需要拡大にブレーキを掛ける可能性もありそうです。
金融市場動向
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