金融市場NOW

IMF(国際通貨基金)2015年10月時点世界経済見通し

2015年10月16日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

世界経済の成長率見通しを2015年、16年とも下方修正

IMFは10月6日に最新の世界経済見通しを発表しました。概要は以下の通りです。

世界

原油価格下落や中国景気減速等を受け、2015、16年の世界経済見通しを前回(2015年7月時点)より各0.2%下方修正。但し、修正後の見通しでも2016年の成長率は2015年の3.1%から3.6%に加速。

米国

2015年の成長率を原油安の恩恵等を考慮し0.1%上方修正。2016年は利上げやドル高の可能性を踏まえ0.2%下方修正。但し、米国が世界経済をけん引する構図は変わらず。

ユーロ圏

量的金融緩和によるデフレ懸念の後退等を理由に、2015年は1.5%で据え置き。2011年以来4年ぶりに1%を超える見通し。

日本

消費の弱さや輸出の伸び悩み等から、2015、16年ともに0.2%下方修正。量的緩和等を受け、成長率は2015年の0.6%から2016年には1.0%に高まる見通し。

新興国

2015、16年ともに0.2%下方修正。2016年の成長率は2015年より高まると見込まれるものの、対米ドルでの通貨安、商品価格の一段の下落が生じることによる成長率見通しの下方修正リスクが高まった。

中国

株安や景気減速は予想の範囲内であり、2015、16年とも据置き。

インド

2015年は0.2%下方修正されるも、中国を初めて上回る見通しに変化なし。2016年は据置きの7.5%。中国との差は2015年の0.5%から2016年には1.2%に拡大する見通し。

表1:IMFの世界経済見通し(2015年10月時点)

(単位:%)

*実績、見通し=前年比(%)
**前回=2015年7月
※ASEAN5…インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
出所:IMFデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
  2014年 実績* 2015年 見通し* 2016年 見通し* 2015年
前回**からの 修正幅(%)
2016年
前回**からの 修正幅(%)
世界 3.4 3.1 3.6 -0.2 -0.2
先進国 1.8 2.0 2.2 -0.1 -0.2
日本 -0.1 0.6 1.0 -0.2 -0.2
米国 2.4 2.6 2.8 0.1 -0.2
ユーロ圏 0.9 1.5 1.6 0.0 -0.1
ドイツ 1.6 1.5 1.6 -0.1 -0.1
フランス 0.2 1.2 1.5 0.0 0.0
イタリア -0.4 0.8 1.3 0.1 0.1
スペイン 1.4 3.1 2.5 0.0 0.0
イギリス 3.0 2.5 2.2 0.1 0.0
カナダ 2.4 1.0 1.7 -0.5 -0.4
新興国 4.6 4.0 4.5 -0.2 -0.2
中国 7.3 6.8 6.3 0.0 0.0
インド 7.3 7.3 7.5 -0.2 0.0
ASEAN5(※) 4.6 4.6 4.9 -0.1 -0.2
ブラジル 0.1 -3.0 -1.0 -1.5 -1.7
ロシア 0.6 -3.8 -0.6 -0.4 -0.8

グラフ1:主な国・地域の経済成長率見通し(2015年10月時点)

出所:IMFデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

金融市場動向一覧へ

「金融市場動向」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。