金融市場NOW

GPIFの運用資産構成<国内株式関連>

2015年07月16日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は7月10日、2014年度の「業務概況書」(2015年3月末時点)を公表しました。以下に国内株式を中心としてその内容を紹介します。

  • 2015年3月末時点での運用資産額は143.9兆円。内、国内株式は31.7兆円、資産構成比は22.0%と、前年度末の15.9%から増加。内外株式合計では4割超に増加【グラフ1、2】。
    • GPIFの国内株式の資産構成目安は25%。2015年3月末の運用資産額を基にすると約36兆円。実際の国内株式の運用資産額との差は単純計算で約4.3兆円【グラフ2】。
  • 2015年3月末時点での国内株式の運用手法別の内訳は、パッシブ運用が27.5兆円(全体の約87%)、アクティブ運用が4.2兆円(同約13%)。パッシブ運用では、非TOPIX型の運用が拡大。JPX400指数を対象とする運用額は、前年度末の0.2兆円から1.7兆円に増加。構成比も0.7%から5.3%に拡大【表1】。
    • JPX400指数:JPX日経インデックス400)
    • 公募投信(アクティブ、パッシブ計)、ETF(指数連動型上場投信)、GPIFのJPX400指数を投資対象とする2015年3月末時点の合計純資産額・運用額は約2.31兆円。1年間で約10倍に増加【グラフ3】。
  • 一部J-REITが含まれる指数を対象に運用するファンド(パッシブ1ファンド、アクティブ2ファンド)のファンド全体の金額は前年度末の約0.58兆円から約1.80兆円に増加(但し、J-REITへの投資額の開示無し)。

グラフ1:運用資産額の推移

出所:GPIFデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:資産構成の変化

出所:GPIFデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

表1:国内株式運用手法別金額等変化

出所:GPIFデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
  2014年3月末 2015年3月末(2) 変化(2-1)
金額(兆円) 割合(%) 金額(兆円) 割合(%) 金額(兆円) 割合(%)
国内株式合計 20.8 100.0 31.7 100.0 10.8 0.0
パッシブ 18.3 87.7 27.5 86.7 9.2 -1.0
TOPIX 17.9 86.0 23.6 74.6 5.7 -11.4
JPX400 0.2 0.7 1.7 5.3 1.5 4.5
その他指数 0.2 1.0 2.2 6.8 2.0 5.9
アクティブ 2.6 12.3 4.2 13.3 1.6 1.0
伝統的アクティブ 1.6 7.5 2.7 8.5 1.1 1.0
スマートベータ型 1.0 4.8 1.5 4.8 0.5 -0.0

グラフ3:JPX400関連運用資産残高の変化

出所:GPIFデータと野村Fundmarkデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

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