金融市場NOW
減収減益3期連続
2016年09月09日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
設備投資は堅調 全産業で13四半期連続で増加
- 財務省が公表した2016年4~6月期の法人企業統計によると、全産業の経常利益(前年同期比)は10.0%の減少となった。
- ただし、金額は過去最高だった前年同期に次ぐ高水準を維持。
- 設備投資は全産業で13四半期連続の増加。低金利などに支えられ、経営者の設備投資意欲は依然旺盛。
財務省が9月1日に公表した2016年4~6月期の法人企業統計によると、全産業(資本金1千万円以上、金融機関を除く)の経常利益は前年同期比10.0%減となりました。売上高も3.5%減で減収減益は3期連続。設備投資額は前期に比べ伸びは鈍化したものの3.1%増の9兆3,145億円とプラスを維持しました。
経常利益は減少したものの、金額は18兆2,639億円と過去最高だった前年同期に次ぐ高水準となりました(グラフ1)。業種別では製造業が22.4%減と大きく落ち込んでいます。落ち込み幅は2009年7~9月期(69.3%減)以来、6年9ヵ月ぶりの大きさです。自動車などの輸出用機械の落ち込みが目立ちました。非製造業も3.1%の減少でした。
設備投資は全産業で13四半期連続で増加しました。製造業が11.1%増と全体をけん引する一方、非製造業は1.3%減と13四半期ぶりに減少しました(グラフ2)。
一時1米ドル=100円を突破した円相場ですが、米追加利上げ観測の高まりや日本の追加緩和期待の後退等とともに円高に一服感が出始めているようです。円相場の動向次第では、2016年4~6月期が当面の企業業績の底になる可能性もありそうです。
金融市場動向
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