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2025年08月28日

寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~

日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文『読書習慣は国力・市民社会の基礎』が掲載されました。

読書習慣は国力・市民社会の基礎

ニッセイアセットマネジメント 社長 大関 洋

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋

先日、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた調査結果に静かな衝撃を受けた。米国で「娯楽としての読書」が過去20年で4割も減少し、「深く憂慮すべき事態」だという。日本でも文化庁の調査で本を読まない人が6割を超えた。時代の変化とはいえ危機感を抱く。

辞書の編さんをテーマにしたドラマ「舟を編む」でも描かれているが、時代を経るうちに何が消え、何が残るのかはその時々のもっともらしい予想を超えることがある。デジタルの時代になっても紙の辞書は生き残っている。

簡便に情報を得るために動画を視聴する傾向は変わらないだろう。しかし、本を読むという行為は、単に情報を得るだけにとどまらない効用があると、見直す機運は世界的にも高まっている。

英国では読書は単なる娯楽や学習ツールではなく、国民のウェルビーイング(心身の健康と幸福)、キャリア、資産形成など公衆衛生の向上の処方箋として捉え、普及の取り組みを進めている。

資産運用でも市場のニュースを追いかけるだけでは後追いになる。社会の潮流を読み解き、長期目線で価値を見極める。そのために必要な洞察力や大局観は点の情報だけを追っていては養われない。与えられた情報と自分の思考との間を行き来することで、点と点がつながり線となり、面となって立体的なネットワークを形成する。この知識のネットワーク効果が物事の本質を捉える思考の源泉となる。

読書習慣の衰退により、このような思考の基盤が社会全体で失われることを危惧する。日本の近代化は国民の識字率の高さや読む習慣が礎となった。国民の読書習慣は市民社会の成立要件のひとつと言っても過言ではなく、日本の国力にも市民社会の持続可能性にも関わる重要な課題だと思えてならない。

(2025/08/28 日本経済新聞 夕刊)

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