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2024年05月31日
寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~
日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文『ウォール街のセリエA進出』が掲載されました。
ウォール街のセリエA進出

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋
今年、サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)を制したのは、名門クラブのインテル・ミラノである。そのインテル・ミラノの支配権を米国の投資家オークツリー・キャピタル・マネジメントが握ったというニュースが飛び込んできた。ウォール街の欧州サッカー界進出と評する向きもあるが、オークツリーはチームを直接買収したわけではない。
セリエAのタイトルを勝ち取るには優れた選手を獲得する必要がある。そのためインテル・ミラノのオーナーは資金をオークツリーから調達した。そのローンを返済できなくなったため、チームの所有権が貸し手であるファンドに移ったということである。
オークツリーのような投資ファンドが直接融資するプライベートクレジット(非公開融資)の市場は安定的な高い利回りを背景に近年拡大してきた。国際通貨基金(IMF)によると世界全体のプライベートクレジットの市場は2兆ドルを超え、米大手銀行の融資と競合する存在になっている。銀行融資は預金を元に融資する。預金取扱金融機関は消費者保護の観点から厳しい規制を受ける。一方、投資ファンドは主に機関投資家からの資金を元に融資する。資金の出し手が個人ではないため従来の規制の対象外であり、シャドーバンキング(影の銀行)だともいわれる。
ただ規制の対象外であっても、融資する際の目利きが重要なことに変わりはない。高い利回りを実現するには返済可能性の評価はもちろん、今回のようなデフォルト時に資金を回収する契約や実務のノウハウも必要である。金利高が続く地域では今後もデフォルトは起こりうる。対応能力を備えたファンドか否かが問われるのはこれからだろう。その意味でもインテル・ミラノがどうなっていくかに注目していきたい。
(2024/5/31 日本経済新聞 夕刊)
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