金融市場NOW
個人消費 コロナ禍からの回復に期待
2020年10月21日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
景気判断では飲食・サービス業関連の改善が進む
- 経済活動の再開にともない、輸出や生産を主導に、国内景気は緩やかに回復に向かいつつある。
- 感染再拡大懸念を背景に、サービス関連支出の低迷が目立ち、個人消費支出の回復は鈍い。
- 政府による消費喚起策などを契機に、今後は個人消費の回復が期待される。
外食などのサービス関連の支出が低迷
政府が5月下旬に緊急事態宣言を全面的に解除し、経済活動が再開されたことから国内経済は正常化に向かいつつあります。足元で公表された経済指標は概ね良好であり、輸出や生産を主導に、国内景気は緩やかに回復基調を辿っているとみられます。
しかし、国内総生産(GDP)のおよそ7割を占める個人消費(内需)の回復の足取りは鈍いようです。総務省が毎月公表する個人消費支出は、2019年10月から2020年8月まで11ヵ月連続のマイナスとなっています(グラフ1)。消費増税の影響による消費低迷に加え、感染再拡大懸念を背景に、7、8月は旅行や外食などのサービス関連支出の低迷が目立ちました。
街角景気の先行きについては明るい見方も
一方、足元の街角の景況感には改善がみられます。全国各地の飲食店の従業員やタクシー運転手などに、景気の実感についてアンケートを行う景気ウォッチャー調査の現状判断は、5ヵ月連続の改善となりました。9月はすべての項目が8月から大幅改善し、中でも飲食やサービス関連の改善が顕著です(グラフ2)。今夏までの外出や外食への自粛ムードが弱まり、人々の消費マインドが上向きつつあるとみられ、両項目の先行き判断も改善幅が大きくなりました(グラフ3)。判断の理由には、政府による自粛要請の緩和や、『Go To トラベル』キャンペーンの効果を期待する声が多く見られました。観光庁は、『Go To トラベル』キャンペーンを利用した宿泊人泊数は約1,689万人泊*と公表しており、10月からは東京都も対象となることから、今後は利用者の増加が期待されます。
10月よりスタートした『Go To イート』キャンペーンに続き、今後も政府によるさまざまな消費喚起策が展開される見込みです。政府の支援策を契機に、今後は個人消費の回復が期待されます。
- 宿泊人数×宿泊数、2020年7月22日~9月15日の利用実績
金融市場動向
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