金融市場NOW
米国製造業景況感に底打ち感
2020年02月12日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
中国は新型肺炎の感染拡大が懸念されるも、米国との合意内容を履行姿勢
- 1月の米国製造業景況感指数は前月から拡大。米中貿易協議の進展が背景か。
- 『生産』および『新規受注』の上昇が景況感の改善に大きく貢献。
- 中国は新型肺炎の感染拡大による影響が懸念されるも、第1段階合意の内容を着実に履行する姿勢。
米国の製造業に回復の兆しがみられています。
米国ISM(供給管理協会)が2月3日に公表した2020年1月の米国製造業景況感指数は、前月の47.8から3.1ポイント上昇し、50.9となりました(グラフ1)。製造活動の拡大・縮小の分かれ目となる50を上回るのは2019年7月以来、6ヵ月ぶりとなります。米中貿易摩擦の影響により、2019年8月以降低迷が続いていましたが、米中貿易協議が無事に第1段階合意に至ったことなどで、景況感の改善につながったものと考えられます。なお、これまでも比較的堅調に推移してきた非製造業(サービス業)の1月の景況感指数が5日に公表され、前月に引き続き底堅い結果となりました。
1月の製造業景況感指数の改善には、指数を構成する5つの指数のうち、『生産』および『新規受注』の上昇が大きく貢献しました(グラフ2)。『生産』は54.3となり、前月から9.5ポイント大幅上昇し、半年ぶりに50を回復しました。1月15日の米中貿易協議の第1段階合意において、中国が対米輸入額を大幅に増やすことを公約したことから(グラフ3)、先行き不透明感が後退し、同指数の上昇を後押ししたものとみられます。
足元の新型肺炎の感染拡大により中国の景気減速が懸念されるなかでも、中国は米国との第 1段階合意の内容を着実に履行する姿勢を見せています。公約された輸入物品には工業製品(製造業)やサービス(非製造業)が含まれることから、米製造業および非製造業の活動拡大が期待できそうです。
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