金融市場NOW
在留外国人数 過去最多に
2019年11月06日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
7年連続の増加 就労目的の在留外国人が増加
- 2019年6月末時点での在留外国人数は282万9,416人となり、過去最多となる。
- 就労目的の在留外国人の増加が目立つ。人手不足や事業の海外展開等を背景とした採用強化が要因か。
- 在留外国人は大都市圏に集中。地方誘致には、労働条件等の改善や地方都市の魅力を伝えることが必要か。
法務省出入国在留管理庁によると、2019年6月末時点での在留外国人数は282万9,416人(速報値)となり、過去最多となりました。2018年12月末時点から3.6%の増加となっており、年次ベースでは、2013年から7年連続の増加となっています(グラフ1)。
在留資格別に内訳をみると、『介護』が2018年末比169.7%増、『医療』が同18.7%増、『高度専門職』が同17.9%増、『技術・人文知識・国際業務』が同13.6%増、『技能実習』が同12.0%増となり、就労が目的の在留外国人の増加が目立っています(グラフ2)。人手不足や事業の海外展開等を背景に、近年、企業が外国人労働者の採用を強化したことなどが増加につながっているものと考えられます。一方、さらなる外国人労働者の就労拡大を目的に、2019年4月に施行された改正出入国管理法を受け新設された在留資格である『特定技能』は、認知度が低く制度が浸透していないことなどから、20人にとどまりました。
2018年10月末時点で就業者全体に占める外国人労働者の割合は2.2%であり、10年前の0.8%から上昇しています*。しかし、在留外国人は東京都や愛知県、大阪府などをはじめとする大都市圏に集中しており(グラフ3)、大都市圏と比較して人手不足がより深刻である地方圏には集まりにくいというのが現状です。在留外国人の地方誘致には、労働条件や賃金の改善、居住などの支援に加え、国や地方自治体が協力して地方都市の魅力を積極的に伝えていくことが必要になると思われます。
- 総務省『労働力調査』、厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」(各年10月末時点)
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