金融市場NOW
世界の購買担当者の景況感
2019年04月15日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
景気減速感が漂う中、サービス業がけん引。中国の製造業PMIは50を回復。
- IHSマークイットが公表した世界全体の購買担当者の景況感を示す3月のグローバルコンポジットPMI(購買担当者景気指数)は52.8と景気判断の分かれ目となる50を上回る。グローバルサービス業PMIが堅調であり、コンポジットPMIを押し上げる結果に。
- 景気減速感が漂う中、グローバル製造業PMIは50.6で前月と同水準となり、11カ月連続の低下を回避。中国が4カ月ぶりに50を超える水準に。
IHSマークイットPMIとは?
製造業やサービス業などの購買担当者を対象に新規受注や生産高、価格、雇用などの景況感についてのアンケートを行い、その結果を指数化したものです。製造業、サービス業、建設業、経済全体、製造業とサービス業を合成したコンポジットのPMIがあります。景気判断の分岐点となる水準である50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示唆すると言われます。PMIはその国(地域)の企業の購買担当者に直接調査した結果を基に算出されるため、景気の実態が正確に反映されやすい特徴があり、発表時期がGDP(国内総生産)など他のマクロ経済指標より早く、速報性が高いと言われます。
サービス業がけん引し、景気拡大を示唆
景気減速感が漂う中においても、3月のグローバルコンポジットPMIは50を上回り、世界の景気が拡大していることを示唆しています。特にグローバルサービス業PMIが53.7と50を大きく上回っており、サービス業が景気拡大をけん引しているようです。主要な国・地域別で見ると、米国の景況感が中国、日本と比べて高い水準で推移しており、現在は米国主導による景気拡大局面とみられます(コンポジットPMI、製造業PMI、サービス業PMIのいずれも米国が一番高い水準にあります)【グラフ1】【グラフ2】【グラフ3】。
製造業PMIは下げ止まりか?
3月のグローバル製造業PMIは50.6と2月から横ばいの推移となり、11カ月連続の低下を回避しました。【グラフ3】。主要な国・地域別で見ると、日本が50を下回る水準で推移しており、景況感は伸び悩んでいるようです。一方で、中国のPMIが4カ月振りに50を超えてきました。中小企業の税負担を軽減する景気対策への期待感から、中小企業の景況感が改善してきています。世界の貿易大国と言われる中国の景況感に改善の兆しが見えてきたことで、今後、その恩恵が中国の貿易相手国を中心に伝播し、下期には世界景気の底入れが期待できる、との声も聞こえています。
金融市場動向
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