金融市場NOW
新築マンション 2ヵ月連続減速
2019年03月26日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
供給低調 在庫圧縮で
- 2月の首都圏の新築マンション発売戸数は、前年同月比でマイナス6.7%の2,323戸となりました。
- 販売価格は引き続き高止まり。ライフスタイルの変化に伴い好立地の物件に人気が集中。
- ローン金利は依然低水準ではあるものの、住宅取得を支援する材料は乏しく厳しい環境は継続か。
3月18日に不動産経済研究所が公表したマンション市場動向調査によれば、2月の首都圏(1都6県:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の新築マンション発売戸数は、前年同月比(以下同様)でマイナス6.7%の2,323戸となりました(グラフ1)。マイナスは2カ月連続となっており、1月の同マイナス1.8%からマイナス幅が拡大しました。2018年末にかけ、販売各社が供給を増やした反動により、年明け以降は在庫圧縮を優先し、供給量を抑えているようです。
1戸あたりの販売価格は同2.5%増の6,284万円と高止まりしています。共働きや車を持たない世帯の増加等のライフスタイルの変化を受け、引き続き通勤や買い物の利便性の高い好立地の物件に人気が集中していることに加え、資材費と人件費の高騰によって、一般の給与所得者には手の届きにくい価格となっています。
月間の契約率は65.6%となり、好不調の節目となる70.0%を11ヵ月連続で下回りました(グラフ2)。不動産各社は物件の販売時期を細かく区切り、少しずつ販売することで一定の契約率を維持しているものの、販売各社は新築マンションの平均価格が5,000万円台を突破して以降、価格の高止まりから売れない状況が継続しているようです。地域別の発売戸数は、前年同月比で東京と千葉が減少し、神奈川と埼玉が増加となりました。
2019年10月に消費増税を控えているものの、増税前の駆け込み購入と、その後の反動減はともに限定的であるという見方も多いようです。しかし、平均販売額は高止まりするなか、契約率は70.0%を下回る状況が継続しています。住宅ローン金利は依然低水準ですが、住宅取得を後押しする材料は乏しく、マンション市況はやや厳しい環境が継続するものと思われます。
金融市場動向
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