金融市場NOW
新築マンション 減速
2019年02月01日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
2018年の首都圏契約率27年ぶりの低水準
- 好調であった新築分譲マンション市場に変化。利便性の高い物件など購入希望者の選別意識が高まる。
- 2018年の首都圏新規発売戸数は前年比3.4%増。ターミナル駅周辺の再開発などにより千葉県がけん引。
- 契約率は2013年をピークに下落基調。2019年は消費増税の影響で消費者のマインド低下も予想される。
これまで好調であった新築分譲マンション市場に変化が見え始めています。販売価格が高止まりするなか、共働きや車を持たない世帯の増加を受け、通勤や買い物の利便性の高い駅前の物件に人気が集中しています。購入希望者の選別は高まっており、昨今では、新築マンションの完売までの平均日数も1年半前後と延びているようです。
首都圏(1都6県:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の2018年の新規発売戸数は前年比3.4%増の3万7,132戸となり、2年連続で前年を上回りました。東京都区部や神奈川県などは前年比で減少した一方で、ターミナル駅周辺の再開発などによる大量供給がけん引したことにより、千葉県が前年比で48.5%増と大幅な増加となりました。
契約率は、2013年をピークに低下基調となっており、一般的に好不況の節目とされる70%を3年連続で下回り(グラフ1)、27年ぶりの低水準となりました。2018年12月を単月で見た場合、49.4%にまで落ち込んでいることから、減速感が鮮明となってきています。新築マンションの平均価格は、資材価格や労務費の高騰などを背景に2014年に5,000万円台を突破し、以降、高止まりを続けています(グラフ2)。現在、住宅ローン金利は過去最低水準となっているものの、一般の給与所得者には手が届きにくい価格となっていることも契約率低下の要因の1つであると考えられます。
当面は市況の急激な悪化はないとみられていますが、今秋に消費増税を控え、増税後は消費マインドの低下が予想されることから、マンション価格の下落が懸念されています。政府は住宅ローン減税の拡充により、駆け込み購入とそれによる反動減を防ごうとしていますが、先行きに関しては注意していく必要がありそうです。
金融市場動向
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