金融市場NOW
6月貿易統計 上期輸出40兆円超え
2018年07月30日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
2008年以来、10年ぶり
- 財務省が発表した2018年上期(1~6月)の貿易統計速報によると、貿易収支は6,067億円の黒字となった。
- 半導体製造製品等を中心に輸出額は伸びるも、資源価格高騰により黒字額は前年同期比では約40%減少。
- 中国を含むアジア諸国・地域向けの輸出が堅調。輸出全体をけん引。
財務省が7月19日に発表した2018年上期(1~6月)の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6,067億円の黒字となりました(グラフ1)。自動車や半導体製造装置、産業用機械などの輸出額は伸びたものの、原油価格をはじめとする資源価格の高騰による輸入額の増加により、黒字額は前年同期比ではおよそ40%の減少となりました。輸出額は中国向けの半導体関連製品がけん引したことから40兆1,305億円となり(グラフ2)、上期としては2008年以来、約10年ぶりに40兆円を超え、2年連続で前年同期を上回りました。以下、要約です。
- 輸出の伸びが目立ったのはアジア諸国・地域。前年同期比6.6%増加の21兆8,499億円と上期としては過去最高となる。半導体や自動車の輸出が堅調であったことが要因とみられる。
- 中国向け輸出は、金属加工機械や電子部品の伸びがけん引。前年同期比10.4%増とアジア諸国・地域同様、上期としては過去最高となった。
- 米国向けは、鉄鋼が同17.2%減少となったものの、建設や鉱山用機械、自動車が堅調であり、前年同期比2.4%の増加。欧州向けは、自動車がけん引し同8.9%増の4兆6,118億円。
- 上期の輸入額は39兆5,238億円となり、前年同期比で7.5%増加。3半期連続の増加となり、過去5番目の高水準。原油等をはじめとする資源高に伴い、原油や石油製品などの輸入額がかさんだ。
- 6月単月の輸出額は7兆524億円と前年同月比6.7%増加。前年を上回るのは19ヵ月連続。
- 6月単月の貿易収支は、アジア向けの半導体関連輸出が伸びたことから2ヵ月ぶりの黒字となった。
金融市場動向
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