金融市場NOW
法人企業統計 設備投資なお堅調
2018年03月12日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
自動車・半導体関連が生産能力を高める動き
- 2017年10~12月期の法人企業統計によると、全産業の設備投資が前年同期比4.3%増となった。
- スマートフォンや自動車向け設備などへの投資が堅調であった製造業がけん引した。
- 法人企業統計の結果を受け、2017年10-12月期のGDP(2次速報)は若干上方修正された。
3月1日に財務省が発表した2017年10~12月期の法人企業統計によると、全産業(金融業、保険業を除く、資本金1,000万円以上)の設備投資が前年同期比(以下同様)4.3%増の11兆4,000億円となりました。生産工程の自動化投資や、自動車・半導体関連を中心とした生産能力を高める動きがけん引し、5四半期連続のプラスとなりました。景気回復を背景に設備投資は順調に推移しており、企業収益の改善や、人手不足を補う省力化が設備投資を後押ししていくと見込まれ、先行きについても増加が期待されそうです。
設備投資の動向を産業別にみると、製造業が同6.5%と前期の1.4%から伸びを高めた一方で、非製造業は同3.0%と前期から伸びが鈍化しました。製造業では、スマートフォンや自動車向け設備などへの投資や、ロボットへの投資などが目立ち、非製造業では運輸業で船舶や航空機の取得が増えたほか、リース業での不動産投資などが後押ししました(グラフ1)。
全産業ベースの経常利益は前年同期比で0.9%増の20兆9,410億円となり、6四半期連続増益となりました。けん引役となったのは製造業で同2.5%増、非製造業はわずかに前期を下回り2四半期連続のマイナスとなりました。中国を含むアジア向けを中心とした半導体製造装置や建設機械の販売が好調だったことが寄与した一方で、建設業における商業施設などの大型案件の反動等が足かせとなったほか、人件費や出店費用がかさんだ小売業などが減益となりました。企業収益は統計の比較可能な1954年以降、2017年4-6月期に次ぐ過去2番目に高い水準となっており、内部留保額も過去最高水準であることから、設備投資の拡大や賃金の改善につながることも期待できそうです。
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