金融市場NOW
消費者物価上昇 2年ぶりの水準に
2018年02月07日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
原油高を背景としたエネルギー関連の上昇が主因か
- 総務省が発表した2017年の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年比0.5%の上昇となった。
- 市場では政府が今夏にも「脱デフレ宣言」をするのではないかという見方も広がる。
- 生活必需品の上昇は生活を圧迫し消費を抑制する可能性もあるため、注視していく必要も。
1月26日に総務省が発表した2017年の消費者物価指数(生鮮食品を除く、以下同様)は、前年比0.5%上昇し、2年ぶりにプラスとなりました(グラフ1)。昨今の原油高を背景としたエネルギー関連の価格の上昇が主因であり、食料品も値上がりしたことも全体の物価を押し上げた要因となったようです。品目別では灯油やガソリン、電気代などのエネルギー関連の上昇が目立ち(グラフ2)、エネルギー関連だけで指数全体を0.4ポイント押し上げました。
また、円安による原材料価格の上昇などを受け、食料品の上昇も目立っています。同日に発表された2017年12月の消費者物価指数は前年同月比で0.9%上昇となり、12ヵ月連続のプラスとなりました。日本銀行は2013年1月に"2%の「物価安定の目標」"を掲げており、現在の水準はこの目標にはほど遠いものの、市場では政府が夏にも「脱デフレ宣言」をするのではないかという見方も広がっているようです。一方で、エネルギー価格等の影響を除いた物価指数は0%台前半で長らく推移していることから、日本銀行は慎重な姿勢を示しているようです。
原油価格の上昇分が電気代やガス代に転嫁されるのには時間を要するため、当面は1%近い物価上昇が継続するのではないかという見方があります。一般的に、消費者の需要の増加を主因とした物価上昇は好景気につながるとされていますが、購入頻度が高い生活必需品の上昇は生活を圧迫し、将来的に消費を抑制する可能性もあるため、今後についても注視していく必要がありそうです。
金融市場動向
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