金融市場NOW
IMF世界経済見通し(2018年1月時点)
2018年01月24日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
世界経済見通しを再び上方修正
国際通貨基金(IMF)は1月22日に公表した最新の世界経済見通しにおいて、2018年、19年の世界の成長率見通しをともに3.9%とし、前回2017年10月時点の予想から0.2ポイントずつ上方修正しました。米税制改革による投資促進を背景に、世界の経済成長率は金融危機から回復しつつあった2011年以来、7年ぶりの高水準となると予想しています。
- 米国は、法人税率の引き下げを柱とする税制改革により内需が刺激されるとして、2018年見通しを0.4ポイント、2019年を0.6ポイントそれぞれ上方修正しました。
- ユーロ圏の2018年成長率は2.2%としました。ドイツ、イタリアなどの域内主要国の見通しを軒並み引き上げたものの、カタルーニャ独立問題に起因する政治不安の影響を受けるとし、スペインについては見通しを引き下げました。
- 日本は、世界貿易の拡大により輸出が底堅く伸びると見込んでおり、2018年の成長率予想を相対的に大きな幅である0.5ポイント引き上げました。しかし、2019年は潜在成長率並みの0.9%成長に鈍化するとしています。
- 中国については内外需とも底堅く、引き続き6%台半ばの経済成長が続くと見込んでおり、2018年は6.6%となった後、2019年には6.4%に鈍化すると予想しています。
表1:IMF世界経済見通し(前年比)
2018年1月時点
2017年(前年比) | 見通し(前年比) | 前回(2017年10月時点)との比較 | |||
---|---|---|---|---|---|
2018年 | 2019年 | 2018年 | 2019年 | ||
世界 | 3.7 | 3.9 | 3.9 | 0.2 | 0.2 |
先進国 | 2.3 | 2.3 | 2.2 | 0.3 | 0.4 |
日本 | 1.8 | 1.2 | 0.9 | 0.5 | 0.1 |
米国 | 2.3 | 2.7 | 2.5 | 0.4 | 0.6 |
ユーロ圏 | 2.4 | 2.2 | 2.0 | 0.3 | 0.3 |
ドイツ | 2.5 | 2.3 | 2.0 | 0.5 | 0.5 |
フランス | 1.8 | 1.9 | 1.9 | 0.1 | 0.0 |
イタリア | 1.6 | 1.4 | 1.1 | 0.3 | 0.2 |
スペイン | 3.1 | 2.4 | 2.1 | -0.1 | 0.1 |
英国 | 1.7 | 1.5 | 1.5 | 0.0 | -0.1 |
カナダ | 3.0 | 2.3 | 2.0 | 0.2 | 0.3 |
新興国 | 4.7 | 4.9 | 5.0 | 0.0 | 0.0 |
中国 | 6.8 | 6.6 | 6.4 | 0.1 | 0.1 |
インド *1 | 6.7 | 7.4 | 7.8 | 0.0 | 0.0 |
ASEAN5 *2 | 5.3 | 5.3 | 5.3 | 0.1 | 0.0 |
ブラジル | 1.1 | 1.9 | 2.1 | 0.4 | 0.1 |
ロシア | 1.8 | 1.7 | 1.5 | 0.1 | 0.0 |
オーストラリア *3 | 2.2 | 2.9 | - | -0.1 | - |
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