投資信託を保有していると、気になるのが投資信託の成績です。これを運用実績といいます。運用会社のホームページなどで入手できる「月次レポート」をみると基準価額の推移や騰落率などの運用実績を確認することができます。

また、騰落率は、その投資信託が運用実績の目安としているベンチマーク(=東証株価指数(TOPIX)などの指数)と比較することや、類似ファンドと比較することもできます。

投資信託の運用実績の見方は?

保有している投資信託の騰落率が、長期にわたりベンチマークや類似ファンドの騰落率に見劣りすることはないかを確認するとよいでしょう。

少し上級者向けですが、運用実績を見る項目(指標)をご紹介しておきます。

その他の運用実績を見る項目(指標)

トータルリターン:どれだけ値上がり(値下がり)したか
標準偏差:どれだけ値動きの幅が大きかったか
シャープレシオ:リスクに見合ったリターンが取れているか

1. トータルリターン

対象期間に投資信託がどれだけ値上がり(値下がり)したかを表したものです。

トータルリターンとは、対象期間に投資信託がどれだけ値上がり(値下がり)したか、つまり基準価額の変化率を表したものです。分配金は再投資されたものと仮定して計算するのが一般的です。また、1年を超えるトータルリターンは1年あたりに換算して、年率で記載する場合もあります。なお、トータルリターンはあくまで過去の実績であり、将来の運用成果を示唆・保証するものではないことを十分に理解しておきましょう。

2. 標準偏差

基準価額の値動き(ぶれ)の大きさ(リスク)を表したものです。この数値が高いほど、その投資信託のリスクが高いということを示しています。

標準偏差は通常は年率(1年当たりの基準価額の値動き(ぶれ)の大きさ)で示されます。平均値からのかい離が(プラス、マイナスを問わず)大きいほど標準偏差は大きくなります。基準価額が大きく上昇を続けた場合であっても、リスクが高くならないこともありますし、その逆のこともあり得ます。

3. シャープレシオ

投資信託の効率性の高さを表したものです。リスクに見合ったリターンを取れているかを表します。

投資信託のリターンが高くても、それは大きなリスクの代償として得た結果であるかもしれません。シャープレシオはリスクに見合ったリターンを得ているかどうかを表す指標で、「リスクとリターンの関係」 を数値化したものです。この数値が大きいほど、リスクに比べ大きなリターンを得ることに成功したとみなされ、「運用効率」がよいということになります。

ただし、シャープレシオもトータルリターンと同様、過去の実績です。将来の運用成果を示唆・保証するものではありませんので注意しましょう。

ニッセイアセットマネジメント

ふくろう教授の投資信託ゼミナールのご利用にあたって

当資料は、投資教育に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが2017年12月に作成したもので、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

投資信託に関する留意点

  • 投資信託はリスクを含む商品です。運用実績は市場環境等により変動し、運用成果(損益)はすべて投資家の皆様のものとなります。元本および利回りが保証された商品ではありません。
  • 投資信託は値動きのある有価証券等に投資します(また、外国証券に投資するファンドにはこの他に為替変動リスクもあります。)ので基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。ファンドは投資元本の保証や一定の成果は約束されておりません。
  • 分配金額は、収益分配方針に基づいて委託会社が決定しますので、あらかじめ一定の額の分配をお約束するものではありません。運用状況によっては、分配金をお支払いできない場合もあります。また、分配金は投資信託財産からお支払いしますので、基準価額が下がる要因となります。
  • 投資信託は保険契約や金融機関の預金と異なり、保険契約者保護機構、預金保険の対象となりません。証券会社以外の金融機関で購入された投資信託は、投資者保護基金の支払い対象にはなりません。
  • 投資信託をご購入される際は、必ず投資信託説明書(交付目論見書)をお受け取りになり、内容をご確認の上ご自身でご判断ください。

当資料に関する留意点

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